顎に痛みを感じる、顎から音が鳴るといった症状に悩まされている方は多いのではないでしょうか?なかにはこうした症状を長期間放置したせいでひどい状態に陥っているケースもあります。どのような病気でも同じですが、早く発見して早く治療をすることは鉄則です。顎に異変を感じているのであれば顎関節症を疑ってみても良いかもしれません。今回は、今すぐ治療すべき顎関節症の症状をご紹介します。また、なぜ顎関節症を発症してしまうのか原因についても見ていきましょう。
顎関節症の症状の1つが顎の痛みです。顎の痛みを大きく分けると顎関節そのものが痛む場合と顎周辺の筋肉が痛む場合の2種類あります。また痛みの種類にも、食事をするときなど顎を動かすと痛む場合と、じっとしていても痛い場合の2種類あります。たいていの場合、顎を動かした時だけ痛みを感じることが多いようです。顎を動かすと顎関節あるいは顎まわりの筋肉が炎症を起こしまわりの神経を刺激する為、強い痛みを感じます。
顎を動かすと音が鳴ることも顎関節症の症状です。食事をするときや口を大きく開閉する際、顎で音がする状態で、音はカクッ、ガクッ、ガリガリ、カックンといった音が多く、専門用語でクリック音と呼ばれています。このようなクリック音が生じる原因は、顎関節のクッションの役割をしている軟骨がずれてしまっているからです。軟骨がずれていることでクッション性が失われ、動かす度に音が鳴ってしまうのです。また、ザラッ、ミシッといった音が起こることもあります。これはクレピタス音と呼ばれ、顎関節の凹凸がこすれることによって生じます。クリック音もクレピタス音も人に聞こえるほど大きな音が鳴る場合もありますが、必ずしも痛みを伴うとは限らないことも特徴です。
口が開けられない状態になることも、顎関節症でよくある症状です。目安としては、口を開けて指が縦に3本入るかどうかです。もし、指が縦に3本入らない、入るほど口が開けられないという場合は顎関節症の疑いがあります。そもそも口が開けられなくなる原因は、顎の筋肉や軟骨、関節まわりの組織などが影響しています。口が開けられないからといって必ずしも顎関節症であるとは限りませんが、顎やその周辺組織に何らかのトラブルがある可能性が高いと言えます。また同様に、口が閉じられないという症状も顎関節症でよく見られます。
ここまでご紹介してきた症状以外に噛み合わせに違和感があったり、顎や顔に歪みがある場合や、顎にしこりを感じたり、慢性的な肩や首のこり、めまいや耳鳴り、しびれといった症状がある場合は顎関節症の疑いがあります。すべてが今すぐ治療すべき症状とはいえませんが、これまでご紹介した3つの症状である「顎の痛み・音が鳴る・口が開けられない」という症状と合わせて生じている場合は、早めに病院を受診することをおすすめします。
顎関節症とは、何らかの原因によって顎関節や顎周りの筋肉に違和感や痛みを覚える病気です。違和感や痛みの程度には個人差がありますが、ひどい場合は日常生活に支障をきたすこともあるほどです。また長期間放置してしまったせいで、痛みがひどくなった、口が開けられなくなったというケースもよくあります。これまでにご説明したとおり、顎関節症の症状は顎や顎周辺だけにとどまらず、めまいや耳鳴りなど全身に影響を及ぼすこともあります。自然に治癒することもありますが、できる限り早い段階で病院を受診して治療するのが良いでしょう。
噛み合わせと顎関節症には深い関連性があります。噛み合わせが悪いと、噛むたびに顎がずれた状態で噛み合います。たえず顎がずれた状態で噛み合っていると、顎や関節、周辺組織に負担がかかり顎関節症を引き起こしてしまうことがあります。一般的に噛み合わせの悪さは、生まれもった骨格だと思われていることがありますがそうとは限りません。噛み合わせを考慮しないで行った歯科治療や矯正などが影響していることも多くあります。また、食べ物の硬さに対する嗜好や、加齢とともに噛み合わせが悪くなることが影響することもあります。
下記のような生活習慣は顎に負担がかかり顎関節症の原因になる可能性があります。
顎関節症の原因は、生活習慣や癖だけではありません。ぶつけるといった外傷も原因になりえます。例えば、小さな赤ちゃんを抱っこしている際に、赤ちゃんが大きく動いた拍子にお母さんの顎に子供の頭が強くぶつかったといったケースです。顎に大きな衝撃が加わると、顎関節がずれたり軟骨を傷めてしまい、顎関節症を発症することがあります。
顎関節症とストレスには何の関連もないように感じますが、最近では大きく関連することが報告されています。例えば、前述した歯ぎしりや食いしばりの原因は、精神的ストレスからくるものと言われています。ストレスが筋肉の緊張を引き起こし、つい顎や歯に力を入れてしまうのです。歯ぎしりを始めとする筋肉の緊張は、無意識に行うストレス発散です。つまり、ストレス過多になるほど筋肉の緊張も大きくなり、顎にも大きな負担がかかるのです。
今回は、今すぐ治療すべき顎関節症の症状とその原因についてご説明しました。顎は日ごろ当たり前のように使っている部位ですが、ひとたび違和感が生じると食事や生活全般に大きな支障を来します。今回ご紹介した症状があてはまる方はできる限り早めに病院を受診しましょう。噛み合わせが影響することが多いため、まずは歯科を受診するのがおすすめです。専門医のアドバイスを元に治療を行えば、今抱えている痛みや違和感、不安などは適切に解決できるはずです。
デンタル・コンシェルジュは、全国の歯科医院からあなたに合った歯科医院を検索できるポータルサイトです。