虫歯が痛む場合、どんな理由であっても、歯医者にいくべきですが、夜間や仕事中などの理由ですぐに受診出来ないことがあります。その際、歯医者に行くまでの間、応急処置で虫歯の痛みを抑える方法を知っておくと役立ちます。また、虫歯の治療中や治療後に痛みが発生することもありますが、この場合、どうして痛みが起こっているのかが分からないことが多いでしょう。すぐに歯医者に行った方が良いのか、しばらく様子を見た方が良いのか迷ってしまうこともあります。そこで今回は、治療中・治療後の痛みの原因と、自分で出来る虫歯の痛みを和らげる方法を解説します。
虫歯があると何となく分かっていても、放置してしまい痛みが発生することがあります。この場合、ある日突然急に痛みが起こることも多く、熱いものや冷たいものがしみはじめたり、ものを噛んだら痛みが起こったりすることもあります。鏡に映して見てみると、痛い部分の歯が黒くなっていたり穴が空いていたりしていて、自分でも虫歯を確認出来ることもあります。このように、治療していない虫歯が急に痛み始めたら、すぐに歯科医を受診して治療を受ける必要があります。虫歯の初期段階では痛みは起こりません。虫歯の進行には段階があって、この初期の状態はC0と呼ばれています。痛みがあるということは虫歯レベルがC1以降の段階に至っているということなので、放置しているとどんどん状況が悪くなります。虫歯レベルがC1以降になると、歯のエナメル質が溶けて「象牙質(ぞうげしつ)」にまで虫歯が達します。それより進行して「歯髄(しずい)」に虫歯が到達している場合は、より深刻な状態です。さらに放っておくと、神経まで虫歯におかされてしまい、耐えがたい痛みに襲われることになります。虫歯が神経まで到達すると抜歯を余儀なくされる可能性が高くなります。このように、虫歯が進行するにつれて、事態は深刻となり、治療期間も長くなりますので、負担が大きくなります。大切な歯を失うことのないように早めの治療をおすすめします。虫歯レベルについてはこちらの記事で詳しく解説しています。「虫歯を自分で治す? 自分で治療できるレベルか見極めて適切に対処する方法!」
虫歯は、治療中や治療後に痛みを発生することがあります。ここでは、ケース別に痛みの原因について解説します。虫歯の治療中に痛みが発生するケースがあります。多いのは、神経を抜く場合です。この場合、麻酔が効きにくいので治療中(手術中)にも痛みが起こることがありますし、治療後も4~5日は痛みが続いてしまうこともあります。また、神経を抜くケースでは、歯の根の治療中(以下、歯根治療)に痛みが起こるケースもよく見られます。歯の先端部分にひびが入っている場合や、歯の周りの膜の部分に痛みを感じやすい人に起こりやすく、このような場合には、麻酔をしてもらった上で歯根治療をしてもらうと良いでしょう。また、歯の根の先の部分に膿が溜まっているときにも痛みが発生します。歯根治療をすると身体が内部に溜まっていた膿を外に押しだそうとするので、腫れや痛みが起こるのです。膿が外に出ること自体に問題はありませんので、痛みがおさまるまでは抗生物質や鎮痛薬をもらって、痛みを抑えると良いでしょう。また、歯の根の中から膿を出してもらったり、歯茎を切開して膿を出したりすると解決することもあります。この他にも、歯根治療中は、ものを噛んだときに痛みや違和感が発生することもあります。これは、歯根治療によって歯の周りの歯根膜が刺激されることが原因です。この場合、治療を終えてしまうと、そのまま問題なく過ごせることがほとんどですが、しばらく様子を見ても痛みがおさまらない場合は、早めに治療を行った歯科医院へ相談してください。
虫歯の治療後に痛む場合は、神経が過敏になっている可能性があります。虫歯の治療の際には、歯を削ったり乾燥させたりするので、神経が過敏になります。この場合、熱いお茶や食べ物、冷たい氷などが歯にしみたり、固いものを噛むと痛んだりすることがよく見られます。虫歯の治療後に神経が過敏になっている場合には、一時的な問題であることが多く、1~2週間程度様子を見ていればおさまってくることがほとんどです。その間、熱いものや冷たいものを控え、固いものを避けて、治療後の歯をなるべく刺激しないように過ごすと良いでしょう。しばらく経っても症状が改善しない場合、何らかの異常が起こっているかもしれませんので、歯科医を受診しましょう。
虫歯治療の際、銀歯などのかぶせものをしたときにも、治療後に痛みが発生するケースがあります。銀歯などの金属は熱伝導性が高いので、熱いものや冷たいものがしみやすくなっていることが1つの原因です。また、虫歯が治ったことで強い力で噛むことが増え、周囲の歯に負担がかかることが原因で痛みが発生している場合もあります。かぶせものがしみる場合も、しばらく様子を見ることで自然におさまることがほとんどです。治療後1~2週間ほどは、熱いものや冷たいものを控えて、かぶせものを入れた方の歯では固いものなどを噛まず、徐々に慣らしていくようにしましょう。
神経を取ったのに、治療後痛みが出るケースがあります。この場合、神経の取り残しが原因かもしれません。歯の神経は1本ではなく、副根と呼ばれる細かい神経が数本ありますので、取り残しがあると痛みが起こる可能性があります。神経の取り残しがあるなら、再度治療をやり直さなければなりませんので、神経をとった後、数日痛みが続く場合は、早めに歯科医に相談しましょう。
虫歯が痛む場合、すぐにでも歯科医に行って治療を受ける必要があります。しかし、すぐには受診出来ない場合もあるので、対応方法を知っておくと役立ちます。ここでは代表的な方法をご紹介します。
1.うがいをする
うがい薬には殺菌作用がある為、うがいをすると痛みを抑える効果が期待できます。うがい薬がない場合は、温めた塩水でうがいをすると塩分の殺菌作用によって一時的に痛みがおさまる場合があります。
2.鎮痛剤を飲む
痛みを抑えるためには、市販の頭痛薬などの鎮痛剤を飲むと良いでしょう。鎮痛剤を飲むときは、痛みがひどくなる前に飲むと効果的です。
3.痛い場所を冷やす
虫歯が痛む場合、痛む箇所を冷やすと血の巡りを抑えることが出来るので、痛みがおさまる場合があります。冷水で冷やしたタオルや冷却シートなどをあてて冷やしましょう。
4.口の中を清潔に保つ
虫歯になると、歯の形が変わったり穴が空いたりして、食べものが詰まりやすくなることがあります。歯と歯の間にものが詰まっていると、噛むたびに痛みを感じることがありますが、無理矢理取ろうとせずに、歯ブラシや歯間ブラシなどで丁寧に汚れを取るようにしましょう。食後に歯ブラシをするなど日頃から口の中を衛生的に保つことが、痛みの原因をなくす一番有効な手段です。
以上のように、虫歯が痛い場合、虫歯の治療後に痛む【ケース2】以外は、歯科医院の治療が必要なことがほとんどです。虫歯を放っておくと、痛みがどんどんひどくなりますし、最悪の場合、抜歯が必要になることもあります。虫歯の自覚があり、歯に痛みを感じる場合は、今すぐ歯医者に行くことをおすすめします。
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