鏡で見た自分の歯が黒くなっていたら不安になりますよね。虫歯ができてしまったのでは、と心配になるかもしれません。しかし、歯が黒くなる原因は虫歯だけではありません。歯が黒くなる原因を詳しく解説したいと思います。
虫歯になると、歯のエナメル質に含まれるリンやミネラルが抜けて黒くなります。歯の溝などが薄く黒くなり始めている程度であれば、削らずに経過観察で済みますが、虫歯が進行し穴が開いていると、早めに虫歯治療を行う必要があります。見た目は、小さな黒い点であっても、中で虫歯が大きくなっている場合があるため、虫歯の進行具合をきちんと診査することが重要です。レントゲンやレーザーによる虫歯診断機などで、虫歯の深さを調べてもらうのが良いでしょう。
<対処法>
歯科医院で虫歯治療を行いましょう。見た目が気になる虫歯の治療は、プラスチック・ハイブリッドレジン・セラミックなど白いもので修復できます。しかし、保険内診療でできる治療には限りがあり、歯の部位によっては金属の詰め物や被せ物になってしまい虫歯の治療跡だということが目立つ場合があります。一方、自費診療では見た目に美しいハイブリッドレジンやセラミックによる治療を選択できます。後で、歯が黒くなる原因として挙げますが、金属の詰め物や被せ物は、金属イオンの流出が起こるので、歯や歯ぐきが黒くなる原因にもなります。
歯に着色やヤニが付着していると、黒くなることがあります。歯の着色汚れの代表的なものには“タバコのヤニ”がありますが、喫煙しない人でも飲食物により着色が起こります。歯の質は人それぞれなので、着色しやすいのかしにくいのかには個人差がありますが、着色しやすい飲食物は、ワイン・ブルーベリー・ぶどう・カレーなどがあげられ、毎日の食事でどんどん蓄積されて濃くなります。
<対処法>
歯科医院で表面のクリーニングができます。多少の着色汚れであれば、歯石除去や歯の表面のクリーニングであるPMTCで除去することが可能です。市販のホワイトニング用の歯磨き粉を使用する方法もありますが、製品によっては研磨成分が多く含まれているものがあり、場合によっては歯の表面を傷つけてしまう可能性があるため、やみくもに繰り返し利用するのは危険です。歯の汚れについては以下のページで詳細に解説しています。
歯が汚いのはなぜ?原因別の対処法を分かりやすく解説
歯石は白色や乳白色のものが多いですが、歯周病が進行している場合、歯周ポケット内に沈着する歯石は、歯ぐきからの出血の影響で、黒い色をしています。歯と歯ぐきの境目に黒い色が見えているようなら、歯石かもしれません。
<対処法>
黒い歯石を除去するというよりは、歯周病の治療を進めることが大切です。黒い歯石が付き始めているということは、歯周病が中程度〜重度にまで進行している可能性があるため、そのまま放置しておくと歯を失う原因にもなります。
早めに治療を開始し、歯周病の進行を止めることが大切です。
口の中に金属の詰め物や被せ物が入っている場合、金属イオンが流出して、歯や歯ぐきを黒くする場合があります。特に、保険診療で使われる金銀パラジウム合金という銀歯は、金属イオンの流出を起こしやすく、着色も起こりやすくなります。
<対処法>
金属イオンが流出して歯が黒くなっている場合は、残念ながら削り取らなくては白くなりません。黒くなった部分を削り、代わりに白い材料で治療を行います。このような金属イオンの流出を防ぐためには、初めからセラミックやハイブリッドレジンなど、金属以外の詰め物や被せ物で治療をするのがおすすめです。
虫歯治療で使われるコンボジットレジンは、プラスチックのような材質でできた材料で、小さな虫歯を修復するのに、その日のうちに治療が完了できる効果的な方法です。しかし、プラスチックは、口の中の水分を吸収し劣化するので、3年〜4年経過すると変色し黒っぽくなります。
<対処法>
変色が気になるようであれば、あらかじめ劣化の少ないセラミックの材料を選択するのも方法の一つです。自費治療なので高額になりますが、経年劣化が少ないので、きちんとメインテナンスしていけば、審美的に劣ることなく長期間維持することができます。
歯の神経が無くなると、歯は水分を失って全体的に次第に黒ずんできます。虫歯で神経の治療をした歯であれば、神経が無いことが原因で変色している可能性が高いでしょう。また、虫歯が無くても歯に強い衝撃を与えたときに、中の神経が死んでしまうことがあります。
<対処法>
神経が無い歯は白い被せ物をする治療を行うのが良いでしょう。歯を削って人工の土台を立て、白い被せ物を装着します。特に前歯の左右片側だけ神経を失っている場合、黒ずんだ歯がとても目立つので、気になる方が多いようです。このような場合には、セラミックの被せ物がおすすめです。セラミックの歯は、本物の歯と区別がつかない位、精妙に作られているので、隣の歯との色の差が目立つ場合に効果的です。
着色や詰め物の劣化は、病気では無いので早急に治療をする必要性は低いですが、歯の表面に凸凹ができプラークが付着しやすくなります。結果、虫歯や歯周病になりやすくなるため、きちんと着色を除去し、古くなった詰め物は作り替えるようにしましょう。歯が黒い原因が虫歯の場合には、放置すると中で虫歯が進行し、神経にまで到達してしまうことがあります。また、歯石が付いたままになると、歯周病は気付かないうちに進行していきます。
歯が黒いのには、主に6つの原因があります。「虫歯によるもの」「着色やヤニによるもの」「歯石によるもの」「口の中の金属によるもの」「白い詰め物の劣化によるもの」「歯の神経が無い場合」です。口を開けた時や笑った時に歯に黒い部分が見えるのは、審美的にもとても気になるものです。実際には、見た目だけでなく病気が潜んでいる場合もありますので、鏡を見た時に黒い歯が気になったら早めに歯科を受診し原因を突き止め、適切な治療を開始するようにしましょう。
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