子供のお口ケアってどうしてる!?小児歯科専門医がお答えします

「子供を虫歯にしたくない!」 vol.1では雪印ビーンスターク株式会社から発売している、赤ちゃんのためのオーラルケア商品『ハキラ』を食べることで期待できる効果について、長く研究に携わる山村淳一研究員に伺いました。vol.2では小児歯科専門医であり、ご自身も小さなお子さんを持つ小林奈未子先生に小児歯科専門医、また、子育て中のママの両方の側面からお子さんと自宅でできる虫歯予防についてお話いただきました。そしてvol.3となる今回は、実際にお子さんの虫歯予防について不安や疑問を抱えるママをお迎えし、vol.2で登場していただいた小林奈未子先生との対談を開催しました。

“同じスプーンで虫歯がうつる”は都市伝説?それとも本当?

“同じスプーンで虫歯がうつる”は都市伝説?それとも本当?_その他

ママ1:親子で同じスプーンを使ったり、熱い食べ物を『フーフー』して冷ましてあげたりするだけでも子どもに虫歯菌がうつってしまうと聞いたことがあるのですが、本当ですか?気を付けてはいるのですが、なかなか徹底するのは難しくて……。

小林先生:本当か嘘かで言うと、本当です。もっと言うと、会話するだけで唾が飛ぶので虫歯菌がうつるということも実はあるのですが、でもそれを言い始めると気軽に抱っこもチューもできないですよね。そういうこともあって、日本小児歯科学会ではそこを徹底することは推奨していません。それよりも親子のコミュニケーションやスキンシップを大切にすることが重要ですからね。

ママ2:そういう時になるべく虫歯菌をうつらないようにする方法はありますか?

小林先生:ママ、パパの口の中を常に清潔に保つことでうつる可能性は減らせます。親御さんの口の中にある虫歯菌が減れば、子どもにうつる菌の数も減りますよね。定期的に歯医者へ行って綺麗にしてもらう方法もありますし、子どもと一緒に『ハキラ』のようなミュータンス菌をコントロールするタブレットを食べることでも手軽に虫歯菌を減らせるのかなと思います。虫歯菌を付着しづらくするという意味では、フッ素の入った歯磨き粉を使うのもいいですね。

歯磨きで注意すべきポイントは歯の形!?

歯磨きで注意すべきポイントは歯の形!?_その他

ママ1:普段の歯磨きで注意した方がいいことはありますか?

小林先生:歯の形は四角なので、頬側、噛み合わせ部分、舌側というように別々に考えて歯ブラシを当てるように心掛けてください。例えば、噛み合わせ部分ばかりに毎日ブラシを当てていると頬側と舌側が全く磨けていないことになり、そこから虫歯になる可能性があります。必ず順番を決めて、頬側の次は舌側、最後に噛み合わせ部分というように順番を決めて3ブロック全てを歯磨きすることが大切です。
ただ、そうは言っても小さい子どもだと歯磨きの途中で飽きてしまって、抑えておくのが難しい場合も多いですよね。そういった場合は、今日は頬側を磨いたら次の日は舌側から磨くというように、毎日順番を変えて磨いてみるのもいいと思います。

歯磨きの時間や回数に決まりはあるのか?

歯磨きの時間や回数に決まりはあるのか?_その他

ママ2:歯磨きの時間を決めて行った方がいいですか?

小林先生:3分時間を測って磨くというような方も多いかと思うのですが、時間はそれほど重要ではありません。短い時間でも、きっちりと磨くことが重要です。歯磨きをする時間帯に関しても、絶対に寝る前と決めてするのではなく、子どもが落ち着いて機嫌のいい時間に楽しくスキンシップを取りながらすることがいいと思います。

ママ1:そうなると歯磨きは毎食後でなくてもいいのですか?

小林先生:朝、昼、寝る前と3回するのはいいことに間違いはないのですが、これも磨く回数よりも、その1回でどれだけ丁寧にできているか、という方が重要になってきます。汚れを落とせていなければ、何回歯磨きをやっていても同じことです。回数を多くやって、安心するよりも、私なら1日1回でもいいのでしっかりと磨いてあげることをおすすめしますね。

実は1歳~3歳の赤ちゃんは虫歯予備軍!?

実は1歳~3歳の赤ちゃんは虫歯予備軍!?_その他

ママ1:子どもが虫歯になりやすい時期はありますか?

小林先生:1~3歳くらいまでの間は親御さんの虫歯菌が子どもにうつりやすいという意味でも、特に気を付けた方がいいです。この時期は口の中の善玉菌が少なく、虫歯菌が住み着きやすいと言われているのですが、理由はそれだけはありません。妊娠中のママはつわりでしっかりと歯を磨けないということがあり、その期間は口の中の虫歯菌が増えてしまいます。その後、赤ちゃんを産み、子育ての中でその増えた虫歯菌が子どもにうつり、虫歯になるということが起きてしまいます。

ママ2:子どもを産んだ直後は更に歯医者に行きづらくなりますよね。

小林先生:そうなんです。妊娠中もあまり行けなかったりしますよね。なかなか難しい問題ですが、これも歯磨きと『ハキラ』のようなタブレットを食べるといった対策で少しでも虫歯菌を減らすよう意識することが大切です。

歯磨き+子ども用フロスで虫歯リスクを下げる

歯磨き+子ども用フロスで虫歯リスクを下げる_その他

ママ1:普段の歯磨き以外で子どもの虫歯を予防できるアイテムはありますか?

小林先生:簡単に手に入るもので言うと、フロスですね。大人用のフロスでも問題はないのですが、子ども用のフロスも売っているので、そちらを使うのがいいと思います。子どもは口が小さいので大人用だと使う側のママも難しいです。子ども用であれば、ヘッド部分が自由に曲がるものもあるので、奥歯などにも確度を変えて使うことができます。見た目が可愛いものも売っていて、子どもは可愛いだけでやる気になってくれたりするのでおすすめです(笑) あと、小学生くらいであれば染め出し液を使うのもいいです。磨けていない箇所を把握してから歯を磨くと効果が全然違います。子どもも楽しんでできますしね。

ママ1:ちなみに仕上げ磨きは何歳くらいまでやればいいのでしょうか?

小林先生:よく小学校の低学年くらいまでと言われていますが、小学生の中学年~高学年が実は一番やってもらいたくて。というのも、特に男の子に多いのですが、仕上げ磨きをやらなくなってそこで親の手が離れると、そこからどんどん歯磨きが雑になる子が多いんです。そうなると別の問題も発生してきて……。

ほとんどの小学生が歯肉炎!? その予防方法は?

ほとんどの小学生が歯肉炎!? その予防方法は?_その他

ママ2:別の問題って何ですか??

小林先生:実は小学生は歯肉炎になる可能性が非常に高いんです。ちょうど小学生くらいの年齢は乳歯と永久歯が混在していて、ぐらぐらしている歯があったり、抜けて歯が1本無かったりで歯を磨きにくいんですよね。そういった状態なので意識してしっかり歯を磨かないとすぐに歯肉炎になってしまいます。

ママ1:虫歯が無くても歯磨きを怠ると歯肉炎になるんですよね。子どもと歯医者へ行った時にそこの医院の先生からも注意するように言われた経験があります。

小林先生:歯肉炎は痛みがあまりないので重症化するんです。重症化すると大人の歯周病と同じで、腫れて毎回血が出たりします。そうならないように、歯周ポケットにブラシを当てて、血が出てもいいから歯茎をマッサージするように伝えています。1歳の赤ちゃんから小学生頃まで、子どもの歯を健康に保ち続けるのは難しいことですが、今は手軽に虫歯を予防できる製品もたくさんあります。親子のコミュニケーションやスキンシップを大切にしながら楽しく虫歯予防を続けてもらえたらと思います。

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新江古田こばやし歯科クリニック

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住所東京都中野区江原町2-31-7若月ビル1F
電話番号03-6914-4188
診療科目歯科・小児歯科・矯正歯科・歯科口腔外科

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