日中は全く痛みなどなかったのに、夜、いきなり歯が痛み出すことってありませんか?夜間だと歯医者さんにも診てもらえませんし、あまりの痛さに眠れないといった経験のある方もいるのではないでしょうか。夜に起こる痛みは「夜間痛」といって、歯以外にも肩や腰に痛みが出ることもあるそうです。夜間は体全体の免疫力が弱まるため、歯髄に達した虫歯菌の力が強くなって痛みが増していきます。では、眠れないほど歯が痛いとき、一体どうしたらいいのでしょうか。今回は自宅で簡単にできる応急処置法を紹介します。
歯の痛みに効果がある鎮痛剤とはどういったものなのでしょうか。 普段から頭痛や生理痛に悩んでいて、鎮痛剤を常備しているという方も多いと思います。鎮痛剤のパッケージには、頭痛や生理痛の他、歯痛にも効果があると記載されているはずです。この鎮痛剤を服用することで、歯痛を抑えることができます。しかし、効果があるのは痛みが軽いうち。歯医者さんに行くまでの応急処置として服用するようにしましょう。あまりにも酷い痛みの場合は、薬が効かないこともあります。鎮痛剤や風邪薬は、薬事法によって、薬剤師や登録販売者がいる所でしか購入できない決まりになっています。夜遅くに歯が痛くなっても、普通のコンビニなどでは売っていないので注意しましょう。自宅に鎮痛剤を常備しておくか、24時間営業のドラッグストアを探しておく必要があります。
鎮痛剤が手元にない場合は、自宅にあるものを使って簡単にできる「冷やす」応急処置を行いましょう。氷水など、よく冷えた水を口に含んで口の中を冷やします。そうすることで歯が痛い場所の炎症が抑えられ、痛みを緩和することができます。その際、口の外側からも冷やすと、より痛みが抑えられるでしょう。冷却枕や氷をタオルなどで包んだものを使い、痛みのある部分を外側から冷やす方法が一般的です。ただし、痛みの原因が虫歯以外の場合(歯周病・知覚過敏・抜歯後など)は、冷やすことが逆効果になる場合もあるので注意してください。
さまざまな応急処置方法と並行して、ツボ押しを試してみましょう。 歯痛に効果のある代表的なツボとして、手にある「歯痛点(しつうてん)」と「合谷(ごうこく)」や、顔にある「下関(げかん)」と「頬車(きょうしゃ)」が挙げられます。
手のひら側の中指と薬指の付け根の間にあるツボで、虫歯や歯槽膿漏による痛みに効果的です。痛く感じる程度に強めに刺激する事がポイントで、左右の手で交互に押したり揉んだりを繰り返しましょう。
手の甲側の親指と人差し指の付け根の間にあるツボ。親指の腹や先端を使い、円を描くように回しながら押します。合谷は歯痛以外にも、頭痛や肩こり、花粉症などにも効果があるツボです。
耳の穴から頬骨の方向に、指四本分ほど離れた箇所にあるツボで、口を開けると盛り上がりができる部分です。人差し指の腹を下関にあて、押し上げるように押しては離す、を何回か繰り返しましょう。
下顎のエラ部分の角から、少しだけ頬側に指をずらした場所にあるツボで、歯を食いしばったときに盛り上がる部分です。人差し指や中指の腹で、しばらく押してゆっくり離す、を繰り返します。
食べカスが原因の歯痛もあります。歯磨きをしても取れなかった食べカスが歯にはさまり、付け根や神経を圧迫して痛みを誘発しているのかもしれません。まずは口の中を清潔にしましょう。デンタルフロスなどによる食べカスの除去や、うがい薬で口をゆすぐことも効果的です。うがい薬には殺菌消毒や炎症を鎮める働きがあるとされていますが、虫歯などの腫れや痛みには効果がありません。また、炎症を起こしている箇所を刺激してしまうと、痛みが一層酷くなる場合もあります。デンタルフロスなどを使用するときは、痛みのある部分を直接刺激しないように注意しましょう。
入浴・・・体を温めると血行が促進されて神経が敏感になるため、歯痛が酷くなります。歯が痛むときは浴槽に浸かるような入浴を控え、軽いシャワー程度で済ませるようにしましょう。
喫煙 ・・・痛みでイライラするからと煙草を吸ってはいけません。タバコの煙は歯を刺激してしまうので、余計に歯の痛みが増してしまいます。
飲酒・・・飲酒もNGです。アルコールを飲むと、一時的に痛みが和らぐように感じるかもしれません。しかし、それは痛みを感じる中枢神経がアルコールで麻痺しているだけです。アルコールは血行を良くするので、後から激しい痛みに襲われます。
このほかにも、刺激の強い炭酸飲料や甘いジュース類の摂取、激しい運動などは避けましょう。
眠れないくらいに歯が痛い夜ほど、長く感じる時間はありません。今回ご紹介した方法で痛みが緩和したとしても、これはあくまでも応急処置です。痛みが発生する原因が解決されるわけではないので、必ず翌日には歯医者さんで診察してもらうようにしましょう。また、応急処置を試みても耐えられない痛みの場合は、歯科診療を行っている夜間・休日救急センターを利用することもできます。ただし、夜間・休日救急センターでは継続的な通院治療は行っていないので、後日別の歯医者さんを受診する必要があります。まずは、痛みを取るための応急処置を試してみてくださいね。
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