笑ったときにちらっと見える、白い歯に美しい歯並び。誰しも憧れますよね。昔は必要に迫られて、治療的に行なわれていた歯の矯正も、最近では審美目的で行なわれることも多く、歯の治療のついでに矯正治療される方も増えています。興味のある方も多いと思いますが、気になるのはその費用。審美目的だと保険がきかずに治療費も高額になるのではないか?と、二の足を踏む方も多いでしょう。さて、本当に歯の矯正やホワイトニングに保険は適用されないのでしょうか?気になる実情をのぞいてみましょう。
残念ながら病気やケガの治療が目的ではないホワイトニングは保険適用外となってしまいます。かつては、歯の神経が死んでしまったために起こる、歯の変色に対して行なわれる「ウォーキングブリーチ(インターナルブリーチ)」という治療法は保険適用可能でした。しかし、2006年の保険改正により保険適用の対象外となり、以来、ホワイトニングはすべて全額自己負担になってしまいました。とは言え、諦めるのはまだ早いです。ホワイトニングの前に行なう、虫歯治療や歯垢除去は保険適用対象です。そしてこの歯垢除去にクリーニングが含まれている場合、一部のみ保険適用になることもあります。これは歯医者さんによっても異なるので、事前にきちんと確認しましょう。
日本で行われているホワイトニングは、一般的にブリーチングと言われ、ホワイトニング剤を塗って歯の明度を上げ、白くする方法がメインです。ホワイトニングには、歯医者さんで行なう「オフィス・ホワイトニング」と、自宅で行なう「ホーム・ホワイトニング(自宅で使用するマウスピースは歯医者さんで作成してもらう)」など、いくつか方法がありますが、いずれも保健適用外となるので全額自己負担になります。その費用も数千円から数十万円と、歯医者さんによって大きな差が出ます。しかし、一生付き合っていく大事な歯。費用だけで判断はせずに、きちんとカウンセリングをしてくれる歯医者さんで、ベストな方法を相談して決めましょう。
ホワイトニング同様、一般的な矯正治療や歯列矯正などの大人の矯正歯科には健康保険は適用されず、いわゆる自費診療となります。全額自己負担となり、程度にもよりますが費用は数十~数百万円とかなり高額になります。歯並びを整える矯正治療は、場合によっては事前に虫歯治療や抜歯が必要です。虫歯の治療はもちろん健康保険が適用されますが、矯正治療としての抜歯の場合、たとえそれが親知らずでも保険適用外となります。矯正治療専門の歯医者も増えてきているので、まずは相談してみましょう。
上記で矯正治療は健康保険適用外と書きましたが、例外的に保険が適用される場合もあります。口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)などの先天性異常や、噛み合わせ不全となる反対咬合(受け口)、奥歯が噛んでも前歯が咬めない開咬など、手術や外科的な治療が必要な場合、歯列矯正に保険が適用されます。したがって、大人になっても治療をせずにいた先天性の疾患や、生活に支障をきたすほどの噛み合わせ不全は保険対象となる可能性もあるので、矯正専門の歯医者さんにしっかりとカウンセリングしてもらいましょう。
矯正と言えば「笑うと目立つ金具の装置」というネガティブな印象を持っている方も多いでしょう。しかし最近の矯正器具はかなり進化しており、目立たず装着時の違和感が少ないものも増えてきています。いくつか例を挙げてご紹介します。
【ブラケット矯正】
歯並びと噛み合わせを治すことができる矯正治療。歯1本1本に矯正装置をつけて、0.1mm単位で歯の位置を決めることが可能。費用は約70万円~となかなか高額ですが、歯並びや噛み合わせがかなりきれいに仕上がるので、歯列矯正の中で最も人気があります。最近では目立ちにくい白や透明の素材を使用したタイプも用意されています。また、歯の表面にブラケットがつくのがどうしても気になる方のために、歯の内側に付ける舌側ブラケット矯正治療という手法も存在します。
【マウスピース矯正】
マウスピースをつけ替えながら歯を動かしていく矯正治療は、透明なマウスピースを使うので目立ちません。歯を移動できる範囲が狭いため、小さな歯並びのズレやすきっ歯の治療向きです。費用はブラケット矯正と比べて若干安い傾向にあります。
ほかにも矯正治療の種類はたくさんあります。いずれも健康保険が適用されないため、それなりの金額の負担は覚悟する必要があります。しかし、歯並びを整えることは、噛み合わせを整えることになり、健康面でも大きなメリットがあります。まずはどんな矯正の方法が一番適しているのか、歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか?
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